外国での評価も高い! 浮世絵の魅力とは

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外国での評価も高い! 浮世絵の魅力とは

江戸時代に成立し、江戸中に広まった「浮世絵」。白黒の明解なコントラストにとりどりの色彩をまとうそのスタイルは、ゴッホやモネなどの印象派の画家たちに大きな影響を与えたとされています。
江戸庶民に愛され、西洋美術史にも多大な影響を与えた「浮世絵」の魅力とはいったい何なのでしょうか。

浮世絵のはじまり

浮世絵が描かれるようになったのは、17世紀後半ごろであると言われています。
江戸時代以前、戦乱が続いた世の中で「うきよ」という言葉は「憂世」という漢字があてられていたとされます。つまり、極楽浄土(あの世)に対する、憂いに満ちた世界(この世)。
しかし戦乱が終わり、江戸幕府が開かれ天下泰平の世になると、人々の生活に余裕が生まれ、特に町人たちを中心に「浮き浮きと日々を暮らそう」という考え方が芽生え始めました。このことから、「憂世」という字が「浮世」というものに変化していったのだと言われています。

「浮世」という言葉は次第に、時代の世相、風俗、風習、考え方などを表す「現代風、今風」というような意味を持つ言葉になっていき、江戸の画家たちに影響を及ぼしていきます。
その影響を受けるうちに、公家や武家ばかりを対象に絵を描いていた画家たちが、庶民の日常生活をモチーフに絵を描く「浮世絵」を描くようになっていったのです。

「浮世絵」に江戸庶民の気性や当時の社会的な雰囲気が生き生きと描かれている理由は、以上のような経緯があるとされています。

ジャポニスム(ジャポニズム)

ジャポニスム(ジャポニズム)は、文筆家フィリップ・ビュルティにより命名された言葉で、日本語では「日本主義、日本趣味」と訳されます。
「日本主義」とは、19世紀末、ヨーロッパで巻き起こった日本芸術の一大ムーブメントのことを指し、印象派の画家たちに多大な影響を与えた、近代西洋美術史を語るうえで決して欠かすことのできない重要な出来事です。きっかけは当時ヨーロッパ各国でおこなわれた万国博覧会であると言われています。

「ひまわり」などの作品で有名なオランダの画家、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホが、日本画、とりわけ「浮世絵」に傾倒していたとされているのは有名です。ゴッホが収集していた「浮世絵」は500点近かったと言われ、実際彼は自身の作品に「浮世絵」を登場させたり、「浮世絵」の模写をしたり、友人や兄弟へ送った書簡の中で日本画への愛着を表現していました。

ゴッホの他にもモネやルノワール、ゴーギャンなど多くの印象派の画家たちが「浮世絵」の魅力に取りつかれ、新たな絵画の可能性に気付かされたと言われています。
戦争画や宗教画、貴族などを中心に描いていたヨーロッパの画家にとって、見たことのない構図で庶民の生活を中心に描いている「浮世絵」は珍しかったのでしょう。
当時はまだ若く、自分たちの新しい画風を模索していた上述の画家たちは、「浮世絵」をヒントに、それまでになかった印象派というジャンルを作り上げたとされています。
「浮世絵が印象派に影響を与えた」とよく言われますが、もしかすると「浮世絵が印象派を生んだ」と言ったほうが正確なのかもしれませんね。

外国での評価も高い! 浮世絵の魅力とは

「浮世絵」は現代においても評価が高く、葛飾北斎(かつしかほくさい)の作品などはニューヨークのメトロポリタン美術館で展示されるなど、外国の方でも葛飾北斎の「富嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」を一度は見たことがあるという方が多いのではないでしょうか。
美術好きの方には、「浮世絵」がデザインされたグッズをお土産に持っていってあげれば喜ばれると思いますよ。

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