海外でも人気の和食! 意外と知らない丼物の歴史

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海外でも人気の和食! 意外と知らない丼物の歴史

現在、お寿司をはじめとして世界中で人気の和食。その中でも人気の高い和食のひとつに、丼物があります。牛丼、かつ丼、うな丼、天丼などなど、丼物には多く種類があり、最近ではオリジナリティあふれる丼物がたくさんのお店で作られています。
そんなポピュラーな丼物ですが、案外その歴史については知らないという人が多いのではないでしょうか。
ここでは、海外でも人気の高い丼物の歴史をご紹介します。

丼物の起源は室町時代

丼物のルーツは古く、室町時代までさかのぼります。
室町時代、ご飯の上に味付けした具をのせた飾り飯である「芳飯(ほうはん)」というものが流行しました。芳飯はもともとお寺の料理であり、中国の思想の陰陽五行説に基づき、白、黄、赤、緑、黒の色の具をご飯に盛り付け、すまし汁をかけて食べられていました。
それから上流階級の食事へと変化していき、見た目の美しさと手軽に作れることが人気を呼んで、主に客人をもてなすときなどに振る舞われるようになっていったのです。
ご飯の上に具材を飾り付けて食べるという丼物は、この芳飯から始まったと言われています。

いわゆる「丼」の誕生は江戸時代

室町時代にそのルーツがある丼物ですが、「丼」と呼ばれる、いわゆる丼物が誕生したのは江戸時代であると言われています。
丼物は江戸時代の文化文政年間(1804年~1830年)に誕生しました。その元祖は「うな丼」であると言われています。うな丼は芝居小屋で芝居を見ながら食べることを目的として作られたもので、温かいご飯にうなぎのかば焼きを添えたものでした。ご飯とおかずが同じ器に盛られているので作るのも簡単で、食べるためにも広いスペースを必要としませんし、何より味が良かったことなどが江戸っ子にうけて、庶民の間で流行していきました。江戸時代後期に差し掛かると、丼鉢が食器として用いられるようになり、そのことから「ご飯の上におかずを盛り付けた料理」を丼と呼ぶようになったと言われています。

明治大正昭和にかけてたくさんの丼物が誕生

現在、丼物の定番と呼ばれる牛丼、親子丼などは、明治時代に入ってから誕生しています。
牛丼と親子丼は1890年代に生まれたとされており、大正時代になると鉄火丼が生まれ、また大正時代末期にはとんかつをご飯の上にのせてソースをかけたことから始まったとされる、かつ丼が誕生しました。
太平洋戦争が終戦を迎え、1950年代になると、ビフテキをご飯にのせたビフテキ丼が誕生し、それから海鮮丼をはじめとする多種多様な丼物が開発されていきます。

海外でも人気の和食! 意外と知らない丼物の歴史

昭和の後半から現代にかけて、グローバル化が進みいろいろな外国料理が日本に輸入されるに従い、丼物の種類も爆発的に増えていきました。現在ではたくさんの飲食店がオリジナリティあふれる丼物を独自に作って人気を呼んでいます。
日本で誕生し、今も進化を続けている丼物。外国の友人に、いろいろな丼物のレシピが掲載された料理本をプレゼントしてあげると喜ばれるかもしれませんね。