どうして「風呂敷」って呼ばれるの? 風呂敷の由来とは
戦後、日本人の生活の欧米化が進むにつれ、普段使いの衣類や身の回りの小物なども大きく変化しました。
しかし、洋風なライフスタイルが当たり前になった現在、「風呂敷」や「手ぬぐい」など、かつて多くの日本人が愛用してきた日用品の魅力が改めて見直されるようになっています。
今回は、外国人の方へのお土産にもぴったりな「風呂敷」についてご紹介していきます。
どうして「風呂敷」なの? 風呂敷の由来とは
手提げカバンや紙袋、レジ袋などの普及で、現在では日常的に風呂敷を使う場面はあまりなくなりました。
それでも、「大風呂敷を広げる」という言葉は今でも一般的に使われますし、贈答品を持参する際や和装する際に使うこともあるでしょう。
風呂敷はいろいろなものを包んで持ち運ぶことができる便利な布ですが、どうして「風呂敷」と呼ばれるのかをご存知でしょうか。
これは、江戸時代に庶民の間で大流行するようになった「銭湯」の文化と関係があると考えられています。
銭湯では、入浴する際に脱いだ着物などを布に包んで置いておき、入浴後はその布を床に敷いた上で身支度を整えるのが一般的でした。
銭湯(風呂)で敷いて使用される布なので、「風呂敷」と呼ばれるようになっていったのです。
もともと布でものを包む習慣は古く奈良時代頃からあり、こちらは「平包」と呼ばれていたのですが、風呂敷という呼び名が広く普及していくうちに、風呂以外で使われていた平包のことも合わせて風呂敷と呼ばれるようになっていきました。
風呂敷の大きさや柄、素材はいろいろ
風呂敷は基本的には四角い布地です。正方形に近いのですが、実は天地(上下の長さ)が、巾(左右の長さ)よりも少し長めになるように作られています。
大きさは、中巾と呼ばれる1辺が45cm程度の小ぶりのものから、二巾(68cm~70cm)、二四巾(90cm)など約10種類ほどあって、包むものの大きさや用途に合わせて選ぶことができます。
江戸時代には絹(ちりめん)や綿などの風呂敷が主流でしたが、戦後はポリエステルやレーヨン、ナイロンなどの化学繊維で作られた風呂敷が普及しました。
色柄も豊富で、花鳥風月など自然をモチーフにした柄や文様、縞や家紋などの文様など、日本人らしい風情ある柄の風呂敷がいろいろあります。
近年では、若い人に和風の小物が見直されていることもあり、現代的なグラフィックやキャラクターなどが描かれた風呂敷も登場しています。
日本の歴史ある庶民文化を感じさせる風呂敷は、外国人の方へのお土産にもぴったりです。
色柄の美しさなどからそれ自体を贈っても喜ばれますし、別の品を風呂敷で包んで贈るのも気が利いていますね。外国人へお土産を贈る際には、ぜひ風呂敷の活用も意識なさってみてください。
2019年1月18日