外国人へのお土産にオススメ!「ちりめん細工」ってどんなもの?
「外国人に渡す日本のお土産を何にするか」で迷うことはありませんか?
箸や扇子などは日本のお土産の定番として知られており、過去に日本に来たことがある場合、すでに持っているかもしれません。
お土産が“かぶってしまう”ことは極力避けたいのが心情です。
ここでは、そんなときにオススメのちりめん細工の魅力についてご紹介します。
そもそも「ちりめん細工」とは?
ちりめんとは生地の表面に「シボ」という名前の凹凸が表れる絹織物のこと。
シボは、縦糸に撚り(より)のない糸を使い、撚りが左右にある糸を横糸に使って編み込むことで生み出されています。
この手法は主に高級な呉服や風呂敷に使われていました。そして、呉服などを作った後の余りの生地を利用して生み出された工芸品がちりめん細工なのです。
ちりめんという織りの技法は安土桃山時代の始まりである天正から伝えられ、ちりめん細工が始まったのは江戸時代だと言われています。
ちりめん細工は、物を大切にしようとする慈しむ心と、芸や美への追求心が生み出したものなのです。
ちりめん細工の魅力
ちりめん細工は江戸時代に生まれ、明治時代、大正時代にかけて発展し、盛んに取り組まれていました。
しかし、昭和以降には戦争や生活様式の劇的な変化もあり、その技術は一度途絶えてしまったのです。
しばらく空白の時代が続いた後、1986年頃から手芸の愛好者たちによって、文献や江戸時代の作品を参考にしてちりめん細工という“伝統文化”が復興しました。
愛好者たちの努力のおかげで、伝統的な生地と手法で作り出されたお手玉や七宝巾着、ちいさな毬などに日本の伝統技術を感じることができるのです。
ちりめん細工の広がり
ちりめん細工は花や動物をあしらった置物や、人形や髪飾りに流用するのが主でした。
最近では、ちりめん細工伝統手法を用いた和柄のクマのストラップや、クリスマスツリーのオーナメントなど幅広くアレンジされています。
また、個人でもちりめん細工が作れるようにキットも売られています。
日本の伝統的な生地で身の回りのアクセサリーを自分で作れることは、海外の人には印象深い経験となるでしょう。
一度は途絶えてしまったちりめん細工ですが、日本人が自国の伝統を再発見し、後世へ伝えられるだけでなく、日本の伝統文化として世界へ発信できるのはとても素晴らしいことですね。
物としての魅力だけでなく、余ったものを大切にする日本の心をお土産にプレゼントしてみてはいかがでしょうか?
2016年9月21日