日本の伝統工芸! 江戸切子の魅力
日本の伝統工芸品のひとつに、「江戸切子」というものがあります。
江戸時代から作られるようになったと言われているガラス細工です。
特殊な技法で作られた独特なデザインはとても魅力的で、国内外からの評価も高く、現在では日本のお土産品として人気を集めています。
ここでは、そんな江戸切子の魅力をご紹介します。
江戸切子のはじまり
江戸切子が生まれたのは江戸時代。
天保年間に、江戸大伝馬町でビードロ問屋を営む加賀谷久兵衛たちが、南蛮から渡来した外国製のガラス製品に細工を施すことで生まれたと言われています。
それまで日本の庶民たちの食器は木製のものや陶器が主でした。
当然、はじめのうちはガラスに加工をする技術を持っておらず、江戸切子が江戸切子として製品化するのには時間がかかりました。
やがてヨーロッパのほうからガラスの加工法を知る人物が日本に呼ばれるようになります。
西洋人たちの技術を参考に自分たちの独特の加工法を見出し、江戸切子として世に出回るようになったと言われています。
江戸切子の魅力
江戸切子最大の魅力は、西洋から伝わったモダンな雰囲気と、日本独自の和風なイメージとが融合していることでしょう。
江戸切子をあしらったグラスは、どこかバカラのグラスのような西洋的な華やかさがありながら、陶器のような日本的な奥ゆかしさが感じられます。
江戸切子に彫り込まれる文様は、矢来、菊、麻の葉、魚子(ななこ)紋、八角・六角籠目紋など、着物などに見られる和風のものが多いです。
江戸切子の製品には、日本酒用のグラスはもちろんビールやワイングラスなどといった洋風の食器も多くあり、繊細で緻密な美しさやそれを実現させる日本人の技術力が高く評価され、日本のお土産としても重宝されています。
江戸切子は色が美しい
江戸切子の魅力を最大限に感じたいのであれば、透明の製品ではなく色のついたものを選ぶようにしましょう。
江戸切子は、薄い色ガラスを作ってから、その内側に透明なガラスを吹き込み、ガラス同士を定着させて器の形に仕上げます。
そのあとに色ガラスを削り、色がついている部分とついていない部分とに分けることで文様を作り上げていきます。
そうすることで、色のついた文様部分が浮き出しているように見え、グラスとしての美しさが最大限生かされます。
ガラスの吹き込み方、削り方の変化によって浮かび上がる文様が変わり、多くのバリエーションを楽しめるのも江戸切子の魅力と言えるでしょう。
日本の伝統工芸品でありながらどことなく西洋的な雰囲気もあわせ持った江戸切子。
その美しさから外国の方からの人気も高いです。
日本からのお土産として江戸切子のグラスを選んでみてはいかがでしょうか。
2018年9月11日