女の子の初正月に贈る! 羽子板とはどんなもの?
昔からあるお正月の遊びのひとつに、羽根つきがあります。最近ではお正月に羽根つきをしている子どもは少なくなってきましたが、羽根つきや、羽根つきで使う羽子板には意味があるのをご存知でしょうか。
ここでは、女の子の初正月に贈る習慣がある羽子板や羽根つきとはどのようなものなのかご紹介します。
女の子の初正月に羽子板を贈るのはなぜ?
羽子板の歴史はとても古く、遊びの道具として使われるようになってからの歴史を見ても、室町時代にまでさかのぼります。厄災を逃れるという意味合いがあった羽子板は、お正月の遊びにふさわしかったことから、羽根つきがお正月の遊びとなっていったといわれています。
羽子板は羽根つきで使われる、テニスやバドミントンでいうところラケットのようなものです。
羽子板でつく黒い球のついた羽は、「無患子(むくろじ)」と呼ばれ、「子どもが患わない」という意味があります。
羽子板で無患子をつくことで、子どもがその1年病気にならなくなると信じられていたのです。そこから、羽根つきで使われている羽子板を赤ちゃんの初正月に贈ることで、赤ちゃんの無病息災を祈るという意味が生まれたといわれています。
羽子板を女の子に贈るようになったのは、羽根つきが女の子の遊びであったからです。初正月に羽子板を贈り、毎年正月に羽根つきをすることで健康に育ってほしいという願いが込められているのでしょう。
ちなみに、男の子の初正月には破魔矢(はまや)を贈ります。
羽根つきでミスをすると墨で顔を塗られるのはなぜ?
羽根つきで上手く羽をつけなかったりして落としてしまうと、その人の顔に墨を塗るという決まりがあります。現代人の感覚では、失敗したことに対する罰ゲームのようなものであるようにとらえられがちですが、もともとは違う意味がありました。
前項で紹介したとおり、羽根つきは子どもの無病息災を祈るという意味合いがあるものです。本来羽根つきは勝ち負けを競うものではなく、お互いに相手の健康を願い、できるだけ長くつき続けることを目的としています。しかし、そうはいってもいつまでもつき続けられるものではありません。うっかり失敗して、羽を落としてしまうことがあるでしょう。無患子を落としてしまうことで、健康への願いが叶わないとなると縁起がよくありません。そのため、羽を落としてしまったときには、鬼が嫌がるといわれている黒色を、魔よけの意味を込めて失敗してしまった人の顔に塗る習慣が生まれたのです。
つまり、羽根つきで顔に塗られる墨は罰ゲームではなく、失敗してしまった人の願いが消えてしまわないようにするためのものであるということです。
羽子板や羽根つきには、ただの遊戯以上の意味があります。最近では羽根つきをする子どもはめっきり見られなくなりましたが、本来の意味をきちんと教えてあげて、羽根つきを一緒にしてみてはいかがでしょうか。
また、羽子板は様々なデザインが施されたものがあります。日本の伝統的工芸品でもあり、日本らしいデザインの羽子板は外国の方にも喜ばれるはずです。外国へ行く予定のある方は、羽子板をお土産にしてみてもいいかもしれませんね。
2018年2月5日