香りの先進国フランスが喜ぶ「日本のお土産」とは

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香りの先進国フランスが喜ぶ「日本のお土産」とは

香りの先進国フランスが喜ぶ「日本のお土産」とは

フランスは、フレグランスの世界で19世紀から多くのブランドを輩出してきた牽引国として知られています。

ヨーロッパの香料会社で香水や香粧品香料を調整する仕事のパフューマーと呼ばれる方々も、7割近くがフランス人だと言われています。
今回は、フランスの香り文化の歴史とフランス人が喜んでくれそうな日本のお土産について紹介します。

フランスの香水文化の歴史

フランスで香水産業が興ったのは1828年のことです。ピエール・フランソワ・パスカル・ゲランという方がパリのリヴォリ通りにブティックを開きました。
その後、香水は改良が重ねられて、天然成分と合成香料を加えて創る近代香水が生み出されたと言われています。

20世紀に入ると、香水と服のファッションを交えた文化が栄え始めます。
1921年には老舗ブランドのシャネルが、エルネスト・ボーという名調香師に香水制作を依頼。
これが後に有名となるシャネルの5番です。20世紀を代表する女優のマリリン・モンローがインタビューの中で「いつも何を着て寝ているのか?」という質問に対して、「シャネルの5番」と答えた逸話も有名です。

その後、定着した香水の文化は現代に至るまでフランスの誇るべき文化として根付いています。

ナポレオンは香りが原因で離婚? フランスの香水文化

フランスでは日常の風景として、両親が朝学校に行く前の子どもたちが使用する香水を選んであげるという習慣があるそうです。

また香水にこだわったとされるナポレオンにも逸話が残っています。軍人・政治家として有名なナポレオンはオーデコロンのような軽く香りが残る香水が好きだったようです。
ですが彼の妻であるジョゼフィーヌは強い香りのムスクを好んでおり、いつも香りのことで喧嘩が絶えなかったそうです。
そうしたなか、香りに対する考え方の違いで離婚に至ったという話もあります。

それほど香水の香りにこだわりを見せるフランス人ですが、実は日本のあるお土産を喜んでくれる傾向があるようです。
それは日本で古くから伝わるお香です。

フランス人にオススメのお香の香り

香りの先進国フランスが喜ぶ「日本のお土産」とは

さまざまな香りを好むフランス人ですが、日本のお香を手に入れる機会があまりなくホームステイ先にお土産として持っていくと喜ばれることが多いそうです。
その際、特に喜ばれる傾向のあるお香の原料について紹介します。

・白檀(びゃくだん)

白檀は、古くから高貴な方々に利用されてきた歴史があります。
インドやインドネシアなどで栽培されており、穏やかで柔らかくどこか妖艶な香りを放ちます。
日本では昔から、お香の香りを着物に浸み込ませる空薫(そらだき)ということが行われており、お香の中でも特に白檀の人気が高かったとされています。

・丁子(ちょうじ)

西洋で「クローブ」と呼ばれる丁子は、昔から日本で漢方薬として利用されてきました。
通常のハーブとは異なり、葉ではなく花や蕾を使用します。
非常に香りが強く料理などにも利用されることがあります。

・沈水香木(じんすいこうぼく)

沈水香木は、さまざまな外的要因によって樹木自体が枯れて熟成されたお香の原料です。
主に沈丁花から生成されることが多く、略して沈香(じんこう)と呼ばれます。
また高品質のものは伽羅(きゃら)と呼ばれて、現在でも比較的高い金額で販売されています。

以上がフランスにおける香水の歴史とフランス人が喜んでくれそうな日本のお香です。
フランスに香り文化の歴史がある様に、日本にも平安時代から香りを楽しむ文化がありました。
原料を練り合って、自分たちの好みの香りを楽しむ「薫物合せ」という宮廷の遊びです。

香り好きなフランス人が、楽しむだけの文化や歴史が日本のお香にはあるということでしょう。